「おい」



どこかで聞いたことのある低い声が頭上から降ってきた。


えっと……誰だっけ。



「おい、いつまで寝てんだ、起きろ」


誰かに肩をゆっさゆっさと乱暴に揺さぶられる。



(何よもう……誰よ……


眠いよ、まだ……)



「お目覚めのキスでもすれば、起きるのか?」




――お、目覚めの、キス!?



(えぇっ?)



がばっ。


あたしは反射的に起きあがった。