にっこり、天使のように微笑んで。


やがて、ゆっくりと、目を閉じて。


かくん、と首が力なく垂れた。



「心肺停止!心肺停止!」


「うそ……

やだ、やだ、こんなの信じない――

あたしを置いていかないで――」



にわかに騒然となる周囲の音もいつの間にかかき消えて……

俺の耳には、瞳衣の泣き叫ぶ声だけが、ただただいつまでも響いていた。





医師たちの必死の努力もむなしく、あいつは帰らぬ人となった――




血の気がすっかり引いて、真っ白な彫像のように整った顔は信じられないほど穏やかで。


今まで見たどんなものよりも美しかった。



神々しいほどに。