ふたつの指輪

(あたしは梨恵さんじゃないもん)


ああいう言い方をするということは。

梨恵の代わりを自分にさせるなってことで。


裏を返せば、俺に自分自身を見てほしいっていう瞳衣の心の叫びだったといえるかもしれない。


悲しいかな、動揺していた俺はそこに気づけなかった。



あのとき混乱せずに冷静に話していれば、違ったのかもしれない。





(だめだ、やっぱりすべきじゃない。こんなこと)





いくらあいつから瞳衣を引き離すため、と自分に言い聞かせていても。


100%そうと胸を張って言い切れる?




――言い切れやしない。