ふたつの指輪

「瞳衣、オレは……」



絞り出すような声に。


あたしは涙をぽろぽろ流しながらも、振り返らなかった。




やめて。


もう、これ以上、あたしの気持ちをかき乱さないで。期待させないで。




わかってるから。自分の領域は。




魁人くんに背を向けて、尊さんとともに一歩あるくごとに。

現実の世界に戻っていく。



魁人くんは、夢の世界の王子様。

日が変われば魔法が解けて、もう会えない。



……それでいい。



魔法は、いつか解けるから。