ふたつの指輪

「瞳衣……おまえさ」

「うん?」


「――あいつのこと、どれだけ知ってる?」


「え?どれだけって……

あいつって、魁人くん?」



あたしが返事しきらないうちに。



急に世界がぐらりと回転した。



「きゃっ」


気がつくと、天井と電気しか見えなかった。



(あれ?)



視界に、あたしの上にのしかかって、肩の横に両腕をつく尊さんの姿が映った。




(――え?)



うそ。