アタシはパソコンをキッチンの

テーブルに持って行った


「今日は 

もう夜しか使わないから

好きなだけ使っていいよ」


ベランダから

洗濯籠を持ってきた

薫ちゃんに声をかけた


『あ~あ ありがとう』


薫ちゃんは椅子に座り

パソコンの

キーボードを触り始めた

向かい側に座ってるアタシ...

タイピングをしてる

薫ちゃんに言った


「すごぃじゃん!!

ブラインドタッチしてる」


微笑みながら薫ちゃんが

『俺はタッチタイピングって

言ってる何故かわかる?』


「タッチタイピング?!

ブラインドタッチと

同じじゃん?」


『ブラインドは

目の見えない人のことね

一般に「盲目」って言うけど

だからタッチタイピングって

俺は呼んでる』



「なるほどね

アタシ英語とか

あんま得意じゃなくてさ

やっぱ大人だね...

頭よさそうだし」



『大人で頭良さそうに見えても

職なし居候だけどね』


(居候...聞いてみるかな)


「ねね さっきの話の続きね」


パソコンを見てた薫ちゃんが

『ん?』と顔をあげた


「もしアタシが...

告ったらどうする?」