生活感の消えた部屋に

着信音が響く

有り難い言葉も

聞き慣れると

退屈なお経

無味乾燥の心になって行く


人と人を繋ぐ心は

薄っぺらな 携帯ひとつ
時の悪戯か


深夜

息を潜めて話す

携帯の向こうのあなたと

ふたつの心が 向き合う瞬間(とき)

密かな絆が生まれる

携帯の神秘