トゥルル、トゥルル。

白い部屋に響く 音

息を呑んで 受話器を取る

不吉な予感

受話器の向こうに 悪魔の声

不気味な波の渦に 呑み込まれていく


トゥルル、トゥルル。

暗闇の中 独り耳にする音

薄れる意識…

このまま時の中に 埋もれてしまえば

この音から 解放されるのに

この音に 怯える日々から


音。

特別な意識で聞いた

あの音は

今も 鳴り響いている

この胸の奥深く