静寂だけが、わたしを包む

この広い世界に わたし独り



わたしの愛した春告げ鳥は

遠い光の中へと飛び立った

春告げ鳥は あなた



「いつか、迎えに来る。」

最期の言葉 ラストシーン

置き去りにされたままの わたしのこころ

春・夏・秋・冬

移ろう季節

さまよう魂

この広い世界に わたし独り



哀しくなどないのに ハラハラと

涙の花びらが舞い落ちる

こんなわたしが愛しくて

世界一の小さなわたし


耳を澄ますと聴こえてくる

チッ・チッ・チッ

静かに時を刻む音

チッ・チッ・チッ

ひたすら進む時の音

チッ・チッ・チッ

戻ることない過去への 回想



秒針の微かな音が

遠ざかる程 心を揺さぶる

まだ儚い夢を見ているのか?

追い掛けては、いけないのか?

とけいに問い掛ける

チッ・チッ・チッ

沈黙の海の向こうから 声を聴いた

「それでも生きて行くのだ。」

時に背中を押されるように

静寂に独り 再生を誓う