キッチンに向かうと、エプロン姿のお母さんが、ジャガイモの皮を向いていた。
あたしの顔を見るなり、お母さんは
「なに?何かイイコトでもあったの?」
と聞いてきた。
どうして分かるんだろうって思っていたら
「ヤッパリ。沙織はすぐ顔に出るからね。」
「えぇ~あたし、そんなに顔に出ちゃうの?」
「えぇ~出るわよ。ウソなんて、すぐにバレるんだからね。沙織は、昔からウソが苦手だったでしょう。」
「うぅ~なんだか悔しい……」
「まぁ~そう言わないの。正直なところが、沙織のいい所じゃない。」
「そうかな?」
「そうだよ。」
「ふぅ~ん」
「いいから、玉ねぎ切って」
「うん」
あたし…そんなにすぐに顔に出るんだ。
嬉しいような、悲しいような?

