携帯握りしめたまま、ベッドに潜り込み
「ウキャーーーーー!!」と思わず叫んだ。
「沙織!帰ってたのぅ~大声出して、どうしたの!?」
うわっ!!お母さん帰ってたんだ!!
「なんでもない!!おかえりー」
ベッドから降りて、部屋のドアを開けて、そう叫んだ。
「ならいいけど、沙織、今日シチューなんだけど、遅くなっちゃったから、ちょっと手伝ってくれなぁ~い?」
「はぁ~い!」
携帯を机の上に置いて
階段を降りて、キッチンへ向かった。
あの日以来
両親は喧嘩をしなくなった。
何か、話しがある時は、2人で落ち着いて話すようにしているみたい。
生活は、相変わらずキツイけど、なんだか、以前より家族の仲が仲良くなったみたいで
凄く、嬉しいんだ。

