授業中…

変わらず藤井を見ている橘。


その視線は、何だ?
まるで、好きな女の子を見ているような視線…





橘…藤井が好きなのか?




「先生!」


えっ?「なんだ?川崎」

「そこ、字、間違えていますよ」

「えっ?あっ!すまん。間違えた」


「先生!しっかりしてくださいよぅ~」

おちゃらけた男子に言われた。


いつもなら、「こら、間違えるなよ」なんて言っている俺。


今は、「すまん、すまん」と言っている
情けない俺。


橘の存在が、確実に俺の思考を乱していった…。