芝生に2人で寝転がって内容のない会話を交わすと、一緒に暮らしてるくせにコイツの知らない部分が多い事に気付く。


「晩飯は作っとくから、食べろよ」


―…ホントは一緒に食ってやりたいんだけどさ


今日、会う相手がすぐに帰してくれる気がしねぇんだよ…


一瞬、俺の方に視線を送ると

「分かった」


小さな子供みたいに寂しそうに返事したコイツに胸が傷んだ。


「そろそろ帰るか」


「そうだね、約束あるし」

芝生を払い歩き出したガキを呼び止めると髪に手を伸ばした。


「芝生ついてる」


細く流れる髪に触れると恥ずかしそうに俯いた。