「やっぱり、見晴らしがいいな…」
真っ青の大きく広い海にキラキラと太陽が反射して光の道を作っている。
買った花束を墓前にそっと添えてもの言わぬ愛しい人の刻まれた名前をなぞった。
「なかなか来れなくてごめんな…」
「ホント…正木さん!化けて出てもいいんだよ!!」
「…ちはるは、お前とは違って心が広いんだよ!…まぁ、でも化けて出てくれてもコイツならいいかもな…」
夢でさえ会えない…―
あのダメだった頃とは違う俺の姿を見たなら…
夢でいいから会いに来てくれねぇかな?
少しは胸張って、お前に会える気がするのに…

