兄貴はフッと嘲笑するとさっきより冷えきった言葉を投げかける。 「音楽から逃げたお前なんかに分かったような口を利かれたくないな」 ―…音楽から逃げた。 その否定の出来ない言葉にグッと拳を握り俯いた。 「悠斗…?」 「ごめん…俺、帰るわ」 「悠斗!!待っ…」 シェイラが呼び止めるのも聞かずに逃げるようにホテルを後にした。 ―――… どうすっかな… 帰る場所はあるのに足が進まない。 騒がしい人混みの中で1人立ち尽くした。