あの事件から、1ヶ月。

俺は、どうしても龍埼が許せなかった。

でも、空華が望むことなら、なんでもしてやりたいって思うようになった。

だから、空華が龍埼とやり直したいって思うなら、応援したい。

きれいごとかもしれない。ただのかっこつけかもしれない。

それでも、そうしてでも、俺の空華への気持ちをかき消したかった。

俺は空華へ、空華は龍埼へ・・・。

片思いかぁ。

初めてだなぁ。

今、頼れる男友達はいないし、親父に言うわけにもいかねぇし。

やっぱり俺は空華だけだったんだ。

空華・・・帰ってこーい!!!


「ねぇ、けいちゃん。」

なに!?ほんとに帰ってきた!!!!

「私、錐夜と別れたぁ。」

「えっ!!なぜ?」

「向こうからなの・・・。」

多分、俺のことを知っているからだろう。

自分でも気づかなかった。

俺が空華のことがスキだなんて。

片思いでもういい。

応援してくれている人がいるなら、それに答えたいと思う。

俺!黒原恵太は、空華に気持ちを伝えることを決意します!!!


「俺!話が・・・あるんだけど・・・放課後いいかな?」

唐突すぎたかな・・・。

「うん♪いいよ!!悩みでもあるの?」