男の人はレストランなどで見掛けるウェイター…

ん?
いえ、ウェイターの服と言ったほうが良いでしょうね。
服だけだったのです、その人は。

「いっ!?」

「怖がることは無いですよ。
お嬢さん、ようこそ
[オバケパーティー]へ!」

「オ…
オバケパーティー?」

「そうですよ。
ささ、こちらへどうぞ」

透明人間のウェイターに連れられてドアの前にやってきました。
部屋のドアではなくて、本当にドアの前。
ドアだけのドアです。

「この中で、世界中のオバケ達が集まるパーティーが開かれているのですよ。

あなたが来た道は[霧の道]といいまして、世界中につながっています。
みなさんは霧の道を通って、ここへ来られるのです。

もしあなたがあのまま霧の道で迷われていたなら、どこかも分からないところに出てしまっていたかもしれませんね」

そう言いながら、ウェイターはドアを開けました。

部屋の明かりと美味しそうな料理の匂いが、かの子の前に広がります。

それと同時にかの子の目に映ったのは、豪華なパーティーに参加しているオバケたちでした。