「みーちゃん、怒んなよぉ。」


「もう、知りませんっ。」



朝から何回かみーちゃんをとろけさせた。

ホテルを出る時にはちょっとご機嫌ナナメなみーちゃん。


仕方ねーじゃん、可愛かったんだから。



「みーちゃん。」


「きゃっ…」



ホテルの自動ドアを一歩出た瞬間、俺は姫を捕まえた。



「す、角クン…人が…」


「みーちゃんが怒ってるから。」


「そんな…」



人目を気にせず、俺はみーちゃんを後ろから抱き締めて離さない。



「体…キツイ?」


「…ううん、ちょっと腰が痛いだけよ。」


「そっか…悪ぃ。気遣う余裕なくて…」



俺がそう謝ると、みーちゃんはクルッと体を反転させて俺を正面から見上げた。


そして、俺の好きな…ふわっとした柔らかい笑みを浮かべた。



「抑えが効かないくらい
夢中になってくれるなんて嬉しい。
そんなあなたが好きよ?」



優しく撫でてくれる頬がじわっと暖かい。


「みーちゃん…好きだよ。」


「私も。」



ホテルの入口だというのも忘れ、俺とみーちゃんは抱き締め合ったまま…
甘い甘いキスをした。




後に、この軽はずみな行動が思わぬ事態を引き起こした。