「よぉ。」


「孝兄っ!?」



ドアを開けると、
そこには片手を上げる孝兄がいた。


何で孝兄が?



「孝兄なんでいんの?」


「須藤さんの結婚パーティーに呼ばれたんだよ。」



はぁ…なるぺそ。

んにゃ?てか、
なんで俺がここにいるって知ってんの?



「孝兄何で俺がここに…」


「須藤さんに頼みごとされたんだよ。」


「須藤に?」


「だから、ここに来たってわけ。」


「何、頼みごとって。」


「おう、お前に届けもん。」



そう言って、100%スマイルで孝兄は少し立っていた位置をずれた。



え?


は?



「た、孝兄…?と、届けもんって…?」



口をパクパクさせて、必死で孝兄に聞き直す。


そんなパニック状態の俺にドSな孝兄は、ブラックな笑みを浮かべて…



「こちらですが?何かご不満でも?」


「いえ…何もありません。。」



引きつった笑顔でそう返した俺に満足した孝兄は、“届けもん”を俺の前に優しく押すと…



「じゃあ、俺はこれで。」


「ちょっ…孝兄…」


「あ、大輝。
おばさんには俺から言っといてやるから。大輝は今夜帰りませんって。」


「え、ちょっと…」



孝兄はひらひらと手を振りながら、エレベーターへと消えていった。