部屋に入ると、
美人さんもいなければ、豪華なもてなしもない。



いたって普通に豪華なスイートルーム。



開け放たれたカーテンの向こうには全面ガラス張りで、絶景だった。



よくマンガとかで女の子が言う、宝石箱をひっくり返したような綺麗な夜景。


すげぇな…さすが最上階。


ちょっと感激してる俺。



しばらく窓に張り付くように外の夜景を眺めていると、



―――コンコン…



ん?



「はい?」



ノックされたドアに向かって返答をする。


すると、
『ルームサービスでございます。』と、
丁寧な男の声が聞こえてきた。



俺ルームサービスなんか頼んでねーべ?


あ、須藤か?
多分須藤が頼んどいたんだな。



俺はそう納得してドアを開けた。