「すまない、あの約束は守れない。」


「何だよそれ…」



俺は怒りより、どうしようもなく虚しくなった。


俺の出した答えは間違いだったのかよ…。


――――――――最悪だ。



「だか…」


「あ゛?」



話す気もなく、
ただ須藤の言葉だけを待つ。



「そのお詫びと言ったらなんだか…」



そこまで口にした須藤は胸ポケットから、1つ鍵を取り出し俺の前へと差し出した。

受け取ろうとしない俺。


でも須藤によって
それを否応なしに手に取らされた。



「何すか、この鍵。」



怪訝そうに須藤にたずねる。


すると、須藤はただ一言だけ…



「この部屋へ行ってみてくれ。」



そう言った。


俺はここで何言ってもどうにもならないと思い、その鍵に書かれた【505】号室に言ってみることにした。