「角、お前なんか元気ないな。」



新年を迎えて
すでに10日たった始業式の日。


教室の自分の席に突っ伏する俺に、高塚が声をかけてきた。



「別に…」


「別にって…おまえなぁ。」



せっかく心配してもらってるにも関わらず無愛想な俺の返事に高塚がため息をつく。


俺だっていつもの俺に戻りたいよ。


でもなんか調子が出ねーんだよ。


仕方ねーじゃん。



「高塚くん、ほうっておきなよ。」


「沖田さん…♪」


「もう大チャン無気力人間になっちゃったから、ほうっておくのが一番。」


「そ、そうだよね!角なんかほっとけばいいよね!」



瞳の登場に高塚の態度は激変。


この、女好きめ。
瞳みて、そんなデレデレすんなアホ。



「おーおー冷たいね、幼なじみのくせに」

「こんな無気力人間の幼なじみいた記憶ありませんけど?」


「ふぅ~ん…」



ダメだ俺。


いつもみたいに瞳に言い返す気力も沸かない。


どーしちゃったんだ俺。



それからその日は、午前中には学校は終わった。



だらだらと帰る支度をしてると、



「大チャン、一緒に帰ろ!」



瞳が後ろから勢いよく飛びついてきた。


おかげでわき腹に机の角が直撃。


痛いし。…てか、背中にめっちゃ胸が当たってんだけど。



「デカ乳押しつけんなよ。」


「きゃっ…大チャンのエッチ、スケベ!」


「声デカい!」



キャハハ…と恥ずかしさも伺わせず笑う瞳を置いてサッサと教室をでた。