先生に看病してもらったあの日から、もう一週間が過ぎた。



冬休み、
俺の頭のなかには美波先生でいっぱいに。


会わないと決めた日から、
クリスマスの夜の瞬間まで美波先生が俺のなかで存在しなかった日はなかったけど。



またあの優しい香りを近くで感じてしまった。


またあの小さくてあったかい手に触れてしまった。


また…あのはにかんだ笑顔が愛おしいと
思ってしまった。



忘れたくても忘れられない…


先生の感触。


先生の雰囲気。


先生の優しさ。


先生のすべて。


また触れたい、

一緒にいたい、

見つめ合いたい。



でもそれはできない。


あの日誓った。


屋上で須藤に誓った。



『先生のこと、幸せにしてやってよ。』



そう誓った。


美波先生の幸せのため。


きっとこれでいいんだ。



そう自分に言い聞かせながら、俺は今もボーっとしながら年末を過ごしていた。



もうすぐ怒涛の1年が終わる。


来年は良いことあるんかな…


どんな年になるんだろ…