◇◆センセイは俺の!◆◇




「美波を今呼んでくるよ。」



俺が何も言わないうちに、須藤は家の中へと入っていった。


そして、数分と経たないうちにみーちゃんが出てきて、こっちに向かって小走りでやってきた。



「角くん、わざわざ…心配してきてくれたの?…ありがとう。」



そう言ったみーちゃんは、赤くなった目で微笑んだ。



結構…泣いたんだな。


俺…遅かった?



「みーちゃん、大丈夫?」



いまだに涙の痕がかすかに残った頬を撫でた。



「大丈夫よ、覚悟…できてたから。それにお母さん…いい顔してた。」


「そっか…。」


「うん…。」



大丈夫じゃないだろ。


全然平気じゃないだろ。


なんで、なんでそんな強がんだよ。


俺に泣きつけよ…みーちゃん。


…なんて


そんなこと言えない意気地のない俺。



「無理すんなよ、ひとりで。…須藤もいるんだろ?助けてもらえよ…?」


「…うん。」


「じゃあ…俺帰るわ。なんかあったら、いつでも連絡して?」


「…ん、ありがとう。」



無理に笑ってるのが分かってんのに、なんで抱きしめてやらないんだよ俺。
何しにきたんだよ…ばか。



それから、またあの急な坂道を下っていった。