「大丈夫だ、そういう時っつーのはどう声をかけていいかわからないもんだ。」



孝兄はそう言いながら、空になったビールの缶を持って台所へいった。



缶のなかを水でゆすいで、逆さにして食器カゴに置いた。



その動作をカウンター越しに目で追う。



「孝兄さぁ、俺…みーちゃんのこと…」


「大丈夫、お前は頼りになる奴だ。」



俺の問いを遮って、孝兄はほしい言葉をくれた。



「お前は、先生の支えになってる。今までも、これからも。」


「…うん。」