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「サンキュ、孝兄!」



車から降りた俺は、運転席側に回って、出勤前の孝兄にお礼を言う。



「おう、しっかりな。」



ハンドルに頬杖をついて、俺に優しく微笑む孝兄にまた惚れ直し、颯爽と仕事へ向かう孝兄の車を見送った。



フゥ…と一つ深く息を吐く。



振り返るとそこにあるのは、



【◆SUDO◆】



首が痛くなるくらい、高いビル。


何階まであんだよ。


デカ過ぎ。



「ここが須藤の…会社。」



おっと、アイツまだ社長じゃない。



“次期”社長だったぜ。



ひとり企み笑いをしてると、通り過ぎていくサラリーマンのおっちゃん達に怪しい目で見られた。



いけね。



時間に遅れる。急がねーと。



俺は気を取り直して、ビルの中へと入っていった。



そう、今日はアイツ…須藤に、みーちゃんと2人で話しをしにいく予定だ。



もう逃げないし、何も恐れない。



真っ正面からアイツとぶつかる。