翡翠の帯留

その大学の同級生だったのが、
文ちゃんのお父さん。

大学を出たあと、
田舎のある九州へ帰っていた。
九州でも有名な製鐵所で働く、
エリートサラリーマンだったらしい。

どのくらいエリートかというと、
なんと。
文ちゃんが子どもの頃、
お抱えの運転手が、
朝、お迎えに来たんだって!

「執事、いた?」
わたしが訊いたら、
文ちゃんは初めて、
心底おかしそうに笑った。

「それはいないわ。
お手伝いさんを置いていた家はあるけど」

お手伝いさんだけでもすごくない?!