春もまだ浅い梅の咲く頃。

大好きだったお祖父ちゃんが、
亡くなった。

わたしはその頃まだ受験生で
お母さんは、
「無理にお葬式に出なくていいよ」
って言ってくれたけど、
わたしは、大好きなお祖父ちゃんに
どうしても最後のお別れを
言いたかった。


お祖父ちゃんは95歳で、
大往生だからお祝いだよ。

伯母さんたちはそう言ったけど。

わたしは寂しくて悲しくて。

親戚で一番、泣いていたと思う。

わたしはお祖父ちゃんの孫の中で一番下。
一番可愛がってもらったし、
わたしも、お祖父ちゃんが大好きだった。