「菜々・・・」


私は、何かを口にすることなく

ただ秋を見た。


秋は続けた。



「明日の病院、さ、

一緒に来てくれないかな」



とても寂しそうに言った。


まるで捨て猫のような目をしていた。



返事は、もちろん決まっていた。

間髪いれずに答えた。


そんな秋に答えたかったから。



「うん!!もちろんだよ!!」


少し無理して、笑顔を作った。



「・・・ありがとな」


その優しい笑顔が、

また私をじーんとさせた。