Live 今を生きる

「桜先輩とか、姫やらないの?」


「桜先輩は王子様なの!!

私のこと、お姫様に選んでくれたんだ」


元気よく話続ける私に、

秋は笑顔で付き合ってくれた。


「菜々、出るの初じゃなかった?」



「そうなんだよね・・・。

初舞台で主演。

しかも先輩と一緒にやる最後の劇なのに」




「きっと大丈夫でしょ!!

桜先輩が言うんだったら」

「・・・そうだよね!!

私、桜先輩に選んでよかったって思われるように

がんばりたい」



「菜々ならできるよ」


秋が私を見て微笑んだ。





私ならできる。



秋の言葉が、呪文のように思えた。



私が、がんばれる魔法。

うれしくてたまらなかった。