校舎の時計が、

2時50分を指していた。



自然と足が速くなってしまう。





・・・っと。

目の前に、見慣れた後姿。



茶色く長い、

ふわふわの髪。


清潔感あふれる制服。




「桜先輩!!」


結論が出ないまま、

思わず呼んでしまった。



声になった瞬間、

急に恥ずかしくなってくる。


そのとき、その人が振り返った。