「いいよ、別にさ」


とにかく思いっきり明るく言った。



戻ろう、

いつもの、

さっきの俺に。




「秋さ、目ぇ赤い」



秋は一瞬驚いたような表情を見せてから言った。

「うそ!?

これでも顔洗ったんだけど・・・ッ」



いつもの秋だ。


「やっぱ泣いたんじゃん」

このときの俺は、

どんな顔をしてただろう。




きっと、得意げだったんだろう。





いつもの秋に、いつもの俺。