菜々の家の周りには、

近所の人たちが集まっていた。


僕は人ごみの手前で思わず立ち止まる。


そんな僕に気がついたのは、

向かいのおばさんだ。


「秋君!

菜々ちゃんのこと・・・聞いた?」



僕はただうなずいた。



「やっぱり、男の子なのね。」


僕が泣いていなかったことに、

おばさんがそう言った。

おばさんはかなり涙をこらえていたようだった。