レイチェルは何も答えなかった。そのことが余計腹立たしかったが、僕は自分の感情を必死に抑えた。別に彼女が悪い訳ではないのだから。
「で、この後の予定はどうなってるの?」
「はい、この後は神四人のみでの会議となっております。ですがご心配はいりません、本日の会議は挨拶程度のものです」
 彼女の気配りが、この時は逆に腹立たしかった。心配なんてしてない!と言ってやりたかったが、内心胸を撫で下ろしていたのは事実だ。
「で、会議は何時から?」
「今から丁度三十分後です」
「三十分もなにしてろって言うんだよ…」
 僕は左手に巻かれた時計を見て溜息を吐いた。