その日、僕は神になった

「百歩譲ってこれは夢ではなく、現実だとして、記憶のない僕が神なんて、相応しい訳ない。他の人を神にした方がいんじゃないの?」
 僕は半ば放心状態で訪ねた。
「それは出来ません。新たな神が就任直後、すぐに新たな神に変わるようなことがあれば、この東地区の威厳にも係わります」
 僕は急激に腹が立ってきた。僕という存在などまったく無視した返答に。