その日、僕は神になった

 そんな冷静な考えに、俺は自らを嘲笑った。結局全てがハッピーエンドとはいかなかった。いや、ある意味とても皮肉な終わり方を迎えてしまった。俺が必死の思いで守ろうとしたレイチェルの手で、もう一つの守ろうとしたもの、玲花や両親の命が奪われることとなってしまうのだから。
 彼女もそのことには気付いているだろう。その手で神々の鉄鎚を執行する時、君は俺のことを、俺の想いを思い出し、その心にいちるの罪悪感を抱いてくれるかい?無へと消えた俺のことなど、気にも止めないかい?それとも…、今も人間界で生きるその人のことを思い、少し躊躇うのかい?
 意味がない。そんなことを気にしても意味はないのだ。俺がその答えを知ることはないのだから。
 もう思い残すことはない。結果はどうあれ、レイチェルだけは救うことが出来たのだから。心の準備は出来た。視線を北の神に向けると、その覚悟を悟った彼は、静かに頷いた。