その日、僕は神になった

「他に御座いますか?」
「ここはどこ?そして僕は誰なんだ?」
「ここは天界です。そしてあなたは東地区の神です」
 僕はその答えを聞いて笑ってしまった。よく教育されている。いや、彼女はすでに洗脳されているのだろう。
「その神、っていうのは何なの?どこの宗教?僕はいつ教祖になったのさ?」
「神、御冗談はお止め下さい」
「何が冗談だ、何をしたのか分かんねぇけど、人の記憶を勝手に消して、神だなんだ、バカにするのもいい加減にしろ!」
 僕は立ち上がり大声を出していた。こんな茶番に、これ以上付き合ってはいられない。