その日、僕は神になった

 だとしたら誰が悪い?俺の性能の低さは俺のせいではない、親が悪いのだ!精子はもっとも優れたそれが卵子まで辿り着き、そして受精するというが、もっとも優れた精子でこれだ、可笑し過ぎて笑えもしない。基のスペックが低過ぎたとしか言いようがないじゃないか?そうだ、奴らが悪いのだ。もっとスペックの高い親だったならば、俺はこんな醜い容姿にも、何の取り柄もない脳にも縁がなかったはずだ。未来だってきっと、もっと明るかったはずだ。人並みの青春だっておくれたはずだ。こんな陰気で人を憎むことしか出来ない人間にはならずに済んだのだ!
 やり場のない怒りはその矛先を見つけた。だがその怒りを現実の凶器に持ち変え、復讐を果たす程の度胸はない。いや、そこまで俺は狂ってはいない。結局、その怒りもまた自分の胸の中にしまい込み、世の中の全てを憎むことしか出来ないのだ…。