その日、僕は神になった

　というのが三人の神々の話の内容だった。どの案もリスクが伴い、しかも確実性には欠ける…。僕は先代の神をここでも恨んだ。二百年前に早々と神々の鉄鎚を執行していれば、こんなにも悩む必要はなかったのだから。二百年の間に人間は、神々を悩ませる程の力を得てしまったのだ。
　だが神々の鉄鎚の内容が決まらなければ、それだけ記憶を取り戻すための時間が増えることは確かだ。不幸中の幸いとでもいうべきだろう。こうして三人の神々と顔を合わせる機会が増えるほど、僕としては彼らの尻尾を掴み易くなるのだから。