その日、僕は神になった

 人間界からは様々な声が聞こえてくる。いわば神頼みというものだろう。「この子の命を救ってください」「豊作のための恵みの雨を降らせてください」こういった真摯な願いもあれば、「金が欲しい!取り合えず金を」「受験に合格させて下さい」「彼女が欲しい」どうでもいい願いも多い。いや、どうでもいい願いが九割九分九厘だ。僕は人間界に向けて、大きなスピーカーで怒鳴りつけてやりたい、「神は便利屋じゃないんだ、自分のことは自分でどうにかしろ!便利屋ならタウンページに載ってるぞ!」と。
 そう人間は、神を崇拝するどころか、便利屋としか思っていないのだ。そんな願いが絶えずそこら中から聞こえてくる。人間界で神童として有名な聖徳太子は、一度に七人の話を聞けたと言うが、僕は一度に何十億人の声が聞こえるのだ。どうだ、参ったか!坂本竜馬よりも孔子よりも、エジソンよりも、レオナルド・ダ・ヴィンチよりも僕の方が凄いんだ!わかったらもっと神々を崇拝しろ!そうすれば、神々の鉄鎚の執行だって考え直すかもしれないじゃないか。