ポケットの中に手を入れると、



ガサガサと感触が伝わる。



右手でそれを出してひざの上で広げると、




ひなたが目撃されたという、小さな町の名前が少し頼りなげにしわしわになった紙の中に書かれていた。



・・・・・・



俺は、それをそのままコートのポケットの中に押し込んだ。



今さら・・・・・・どうしろってんだよ。



しかも、俺が今さら行かないほうが、



あいつのためにいいような気も・・・するし。