外の空気が寒いのか、 自分自身がサムイのか、どちらかわからなかったけど、 羽織ったトレンチコートの襟をかきあげながら 俺は自分が久しぶりの友達との再会をやっぱり心待ちにしいたことに気づかされる。 タクシーに乗って、懐かしい店先へ着くと、 ドアを開けた瞬間からまるで時が戻っていくようだった。 「お!喜三郎!!」 「よ!」 店内は全く変わらず、あの頃よく座ってた俺たちの指定席に潤平とハルの笑顔があった。