電話はよくするけど、
ひなたに会うことは最近あんまりなくて、
式のことを聞いたとたんに黙り込んだ彼女の、電話口から感じる雰囲気に、
俺は慌てて話題を変えてみた。
「潤平たちとさ、久しぶりに会おう、って言ってんだけど。お前来るよな」
「・・・うん。行けたら行きたい。って久しぶりって、先月大学卒業したばかりじゃない」
相変わらずばかだね~、って笑うひなたの声は
もういつもどおりの彼女の声で。
俺は心の隅に生まれる小さな黒い何かを無視するように蓋をした。
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