「ふ~~~」
俺は椅子に寄りかかり、手にしたディスクを光にかざしてみた。
キラキラとまぶしい光が、部屋中に乱反射していく。
あの時・・・・
彼女に再会した時に渡されたこのCDを、俺はずっと手放せないでいる。
あの時・・・・
家に帰ってからヘッドホンで聞いたこの音楽に、俺の気持ちは大きく揺さぶられた。
入っていたのはまだ若い陽斗の声。
そしてゆぅさんの声。
多分、ためしに録ってみようか、なんてそんな会話なんだろうと思う。
間もなく始まる演奏。
今も変わらない、陽斗のピアノ。
それは・・・・
Happy Birthday to you~♪
から始まる誰もが知ってるメロディー。

