俺色〜ある草食系男子の日々


・・・・・・

・・・・・・・・・



・・・って。



なんか、普通に会話してるし。



「父親は?」



そう口に出してようやく気がついた。



父親は?



あの子の父親はどこにいるんだ?



ひなたはふっと笑って、何も言わないまま食べ終わった俺のカレー皿をキッチンに運んだ。


「ひなた!」


思わず出した大きな声を、あわてて言い直す。


危ない、危ない。


また起きちゃうよな。


「ヒ、ナ、タ・・・」



出来る限り小さな声を出した俺を見て、彼女はぷっと吹き出してから、


コーヒーをカップに入れながら答えた。



「父親は、いないから」


「は?」