「きぃちゃん・・・ごめんね」



それでもこんな悲しそうな彼女の声は聞いたことがない。



けれど、俺は止まらなかった。




「俺のことも・・・忘れたの・・・・・・?ひなた・・・」



「忘れてなんか・・・・・・忘れてなんかないよ」



うつむいた頭の上から聞こえるひなたの言葉は、一つ一つ言葉を選んでいるように聞こえた。



「きぃちゃん・・・あのね・・・・・・あたし・・・」



大きく息を吸い込みながら、何度も止まりながら



彼女の口から言葉がぎゅうぎゅうと押し出されるように生まれてくる。



でも・・・・・・



こんなの、ひなたじゃないよな。