陽菜ちゃんと、ひなたが重なり、



あの日の俺と今の陽斗が重なってる。




なんでだよ・・・・



悔しさは・・・はがゆさは、最後、声にならずに



ただ、強く握りしめた自分のこぶしを見つめた。




瞬間、やわらかく包まれる感触に体がびくっと反応する。



俺のこぶしをそっと包み込む手のひらはとてもやわらかくて、あったかかった。



「きぃちゃん・・・」



静かに響くひなたの声。



不思議と、俺のいきり立った感情がすっと平常に戻っていく感じがわかった。