「いいか? ナナ。
まずは、ガレージに行くぞ」
「うん。」
ん ?!
ガレージ ?!
「ハヤト 何でガレージなの?」
私は、不思議に思った。
食堂から外に出るには、玄関から出た方が ずっと近いからだ。
わざわざ、ガレージに行ってから外に出るには、グルッと回ってから行くため、明らかに遠回りだった。
「赤紅に 見つからないようにだよ!」
「えっ? まだ 赤紅 出かけてないの? 」
「あぁ。」
「でも、出てったの 大分前だよ! まだいるかなぁ?」
「ああ、間違いなくな!」
どこから来たのか、凄い自信だ。
息を切らしながら、猛スピードでガレージに向かって走ること しばらく。
その間、ハヤトは電子電話を使って 誰かと交信しているようだった。
私は、ハヤトについて行くのがやっと、とても話の内容まで気が回る状況ではなかった。
そんな時 あと少しでガレージという所で、何やら院長の 叫び声が 耳に飛び込んで来た。