シーン と静まる廊下。
涙で充血した目に、真っ赤になった鼻。
どこから見ても、泣き顔の私に、イブキは すぐに、事の真相を聞いて来た。
無我夢中だったんだと思う。
彼の両腕にしがみついた私は、今までの事を 一気に吐き出した。
彼は、何も言わず 最後まで話を聞いてくれた。
話しきった、私の目から、再び溢れ出す涙。
すべてを話せた事に、ホッとしたあらわれと、怒鳴られるかもしれないと言う、恐怖から解放された 安心感からだった。
話を全部 聞いたイブキは、固まっていた。
それも そのはずだった。
迎えに行こうにも、門限を破って、外に出ると言うことは、重罪だったからだ。
外は 夜6:00 になると、警備兵があちらこちらに配備される。
それに 見つかれば、例え どんな理由があったとしても、罪から免れることは出来ない。
この帝国では、門限破りは 人生さえ狂わしてしまうほど、厳しい法律なのだ。