ハヤトの機転といい。
院長の、急用といい。
そのおかげで、いつもの点呼を免れ、トシがいないことが、とりあえず バレずに済んだ事は、不幸中の幸いだった。
そう思ったら、フッと 体の余計な力も抜け、声が出せるようになった。
「おい! どうしたんだよ!」
心配そうに覗き込む イブキ。
「おう! 訳は後で話す!
、今すぐナナを連れて廊下に出ててくれ!」
「なんか よくわかんねぇけど、分かったよ!」
危機迫る 雰囲気にイブキも すぐに気付いたようだ。
「俺も終わったら、すぐ行くから待っててくれ」
ハヤトは、皆の注目を自分に向けさせ、夕食前の挨拶を始めた。
その間に、イブキは ナナを皆の目から 隠すように、部屋を出た。
